安定同位体分析

安定同位体分析

同位体比分析の概要

当社は、民間企業として九州で唯一の同位体分析機関です。

物質には原子番号が同じでも、質量数が異なるもの(同位体)が存在します。物質の起源などにより僅かながら異なる同位体比を安定同位体比質量分析計を用いて測定し、様々な評価を行います。

長年に亘り、地熱発電所の蒸気井の挙動モニタリングおよび地熱流体の供給起源を始めとする様々な調査に携わってきました。それらの実績を活かし、的確な調査、評価を行っています。


質量分析計

同位体分析は、30年の実績を持つ当社へお任せください

分析項目

分析項目 記号
軽元素 水素 δD
酸素 δ18O
炭素 δ13C
窒素 δ15N
硫黄 δ34S
希ガス ヘリウム 3He/4He
ヘリウム/ネオン 4He/20Ne
その他希ガス -
その他 ストロンチウム 87Sr/86Sr
トリチウム T
その他各種同位体 -

同位体とは?

原子の質量=陽子の数+中性子の数

それぞれ中性子の数が異なる為、質量が異なります。この質量の差を利用して起源や物質の動態を調べることができます。

水の同位体分別について

水の水素に注目すると、質量が軽いものから蒸発し、重いものから凝縮するという性質があるため、赤道付近の海水が蒸発し雲になって、雨を降らせる過程で同位体比が変化します。 このような同位体分別の性質を利用し、様々な化学的評価をすることができます。

※ 同位体分別:物理学的・化学的プロセスを通して同位体比が変わること

水の同位体比(酸素・水素同位体比)の活用事例

ミネラルウォーターの産地判別

地表水(地下水や河川水など)の水の同位体比が、同位体分別により地域によって異なることを利用し、ミネラルウォーターの産地判別を大まかに行うことができます。

「環境と測定技術」Vol.40

温泉水の起源の推定

他にも、温泉水の水の同位体比の違いを用いて、温泉水の起源を特定することができます。

温泉水の特徴と温泉水起源の推定

同位体は、環境や過程の違いなどによって、同じ物質でも同位体の割合に相違が生じます。
その同位体の相違を用いて、温泉水の起源を推定することが出来ます。


(例)

井戸A・B・Cそれぞれの同位体を測定すると・・・
同位体の値は、温泉地A=温泉地B≠温泉地Cであった場合井戸A・Bは起源を同じとする温泉水であるが、井戸Cの温泉は異なった起源の温泉水であることが推定できます。

モニタリング

地熱発電所や、地下水を大量に使用する工場、温泉施設などでは、使用する水の管理が重要です。 水の同位体比をモニタリングすることによって、地下の水源から安定的に供給されていることを確認することができます。

漏水調査

ダムやビルなどで漏水がおきた場合、漏水と漏水しているらしき水の同位体比分析や一般水質分析をすることによって、漏水原因を特定できることがあります。

その他同位体比の活用事例

温泉調査

地熱発電や温泉発電に利用する熱水や蒸気の同位体比を測定し、地下の温泉帯水層の性状を把握することに使われています。

地下水の汚染調査

地下水の硝酸汚染源を、地下水中の窒素同位体比を測定することによって、推定できることがあります。 畜産由来であれば、高い値を、化学肥料由来であれば、低い値を示す傾向があります。

煤塵の起源調査・土壌汚染調査

鉛の同位体は、原産地ごとに異なる値を取ります。 大気中の鉛の同位体比から煤塵中の鉛の由来を調査することができます。 土壌汚染の原因となっている鉛が人為的汚染であるかどうかの判別にも鉛同位体比が使われることがあります。

鉱物の生成温度の推定

2つの物質(鉱物-鉱物、鉱物-水)の間での同位体比の差が温度の関数であることを用い、鉱物の生成温度を推定することができます。

技術発表実績

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