シックハウス原因物質調査
シックハウス症候群とは?
「新築・改築後の室内に入ると、建材、家具等に含まれる接着剤などから発生する化学物質を吸い込むことで発症し、目やのどが痛い、頭痛がする、めまい、アトピー性皮膚炎が悪化する」といった症状で健康障害が生じること。
シックハウス症候群の原因は?
「新築・改築後の室内では、建材、内装材、家具類の塗料、接着剤、防ギ材、ビニールクロスの部材から放散される揮発性有機化合物により室内空気が汚染されている場合があります。このほか、防虫剤、芳香剤、燃焼器具、タバコの煙などからも室内空気汚染物質が放散または発生しています。
調査の流れ
当社では、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物の採取・分析を一貫して行っております。
採取について
室内の空気を捕集剤に吸着させ、それを前処理し分析を行います。室内空気の採取方法には、大きく分けて2つの方法があり、アクティブ法(精密法)、パッシブ法(簡易法)に大別されます。
アクティブ法測定 | パッシブ法測定 |
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精度が高い | 測定がシンプル |
測定時間が短い | 数ケ所箇同時の測定が容易 |
アクティブ法測定
パッシブ法測定
分析方法について
分析の対象 | 分析の方法 |
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ホルムアルデヒド | DNPH誘導体化固相吸着/溶媒抽出-高速液体クロマトグラフ法 |
トルエン キシレン エチルベンゼン スチレン |
固相吸着/溶媒抽出-ガスクロマトグラフ質量分析法 |
HPLCによる分析
GC-MSによる分析-
得られた分析値を室内の空気1立法メートル当たりの量に換算し,厚生労働省の室内濃度指針値と比較を行います。
室内濃度指針値について
国では、厚生労働省及び関係省庁が協力して「原因分析」「基準設定」「防止対策」等のシックハウス総合対策を行っています。厚生労働省は、13の物質について室内濃度指針値を設定しています。ここで示された指針値は、現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取したとしても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したものであり、その設定の趣旨はこの値までは良いとするのではなく、指針値以下がより望ましいということである。
現状では、居住者にアレルギー、中毒、未だ発生の仕組みがわからない症状を含めた様々な体調不良が生じ、それがなんらかの居住環境に由来するのではないかと推測される場合が「シックハウス症候群」と便宜的に総称されているので、多くの場合、現状の研究では指針値が策定された物質と体調不良との間に明確な対応関係は証明されていません。
揮発性有機化合物 | 室内濃度指針値 |
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ホルムアルデヒド | 100μg/m3(0.08ppm) |
アセトアルデヒド | 48μg/m3(0.03ppm) |
トルエン | 260μg/m3(0.07ppm) |
キシレン | 870μg/m3(0.20ppm) |
エチルベンゼン | 3800μg/m3(0.88ppm) |
スチレン | 220μg/m3(0.05ppm) |
パラジクロロベンゼン | 240μg/m3(0.04ppm) |
テトラデカン | 330μg/m3(0.04ppb) |
クロルピリホス | 1μg/m3(0.07ppm) 小児の場合0.1μg/m3(0.007ppb) |
フェノブカルブ | 33μg/m3(3.8ppb) |
ダイアジノン | 0.29μg/m3(0.02ppb) |
フタル酸ジ-n-ブチル | 220μg/m3(0.02ppm) |
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 120μg/m3(706ppb) |
どんな症状を起こすのか
濃度 | 症状 |
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0.50ppm | 目と喉に刺激を感じる |
0.25ppm | 呼吸にわずかな抵抗を感じる |
0.10ppm | 臭気を感じる |
0.08ppm | 厚生労働省、室内濃度基準 |
続けて被体する事により免疫機能が低下し、低い濃度でも症状を示す場合があります。