潤滑油分析
当社は、潤滑油分析・評価に関し、発電所の管理を通じて豊富なデータと経験・知見を有しており、油中の汚染物質(磨耗粉・異物混入・水分など)を測定・分析・解析することで、更油時期の情報提供や設備の磨耗診断、異常時の要因解明・解決が可能です。
潤滑油性状調査の流れ
油の一般性状分析
回転ボンベ式酸化安定度(ROBT)、動粘度、全酸価、油中微粒子及び水分等を分析し、物理的性状の変化と、混入している汚染粒子の粒子数分布、汚染物重量による汚染度の判定、含有水分により、トラブルの未然防止、油の交換時期を確認することができます。
油中の汚染物質の定性・定量
- 油中の汚染物質をろ過や遠心分離機等により分離し、X線マイクロアナライザー(EPMA)、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)等の機器を用いて、数ミクロンオ-ダ-の汚染物質の定性分析を行います
- 高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)、原子吸光分析装置(AAS)等を用いて、金属元素の摩耗粉を調査して、この摩耗粉を発生させた機械の部位を推定します。また、さらに金属元素の濃度から摩耗粉の量を把握し、機械の故障を予知します
- 赤外線分光分析装置(FT-IR)により油の劣化や不純物の混入等をチェックします
調査事例
設備の制御油の0.8µmろ紙上の異物の調査
FT-IR分析結果
EPMA定性分析結果
調査結果
異物の主成分は、炭素(C)、酸素(O)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)である。
鉄(Fe)、シリカ(Si)、アルミニウム(Al)が低いことから、異物は磨耗粉や砂塵ではなく、潤滑油の酸化によるスラッジ化や添加剤の変質が考えられる。
設備内の滞留部(枝管、サンプリングラインなど)に溜まった異物が、何らかの要因で油中に混入した場合、異物の粘性による弁部の作動不良が懸念されるため、更油を推奨した。
その他の情報
潤滑油等の使用履歴や調査内容によって聞取調査や事前協議が必要になりますので、調査前にご相談ください。